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  • 2023.09.25

    若狭と京を結ぶ食と文化が交流した道「鯖街道」

    福井県小浜市から京都への道を「鯖街道」と呼び、ハイキングやウォーキングを楽しむことができます。
    古くは奈良・京都の皇室に食材を贈り届け、近代では京都の料理人に鯖や食材を運んでいました。
    ガイドマップを手に入れて、安全に鯖街道の歴史と自然をお楽しみください。

    鯖街道の歴史

    近年、鯖街道と呼ばれるようになった若狭と京を結ぶ街道群は、食だけでなく、様々な物資や人、文化を運んだ交流の道です。
    街道沿いには社寺、町並み、民俗文化財など様々な往来文化遺産群があります。
    鯖街道を辿れば、古代から現代へと続く往来の歴史と人々の営みを感じることができます。

    鯖街道が運んできたもの

    鯖街道と言っても、一方的に鯖ばかり運んでいたわけではありません。若狭からは、海を渡ってやってきた文化や、さまざまな海産物を運んでいました。
    そして、京からも雅な文化や工芸品などが若狭に運ばれていました。
    鯖街道という名称は、中世以降、特に多くの鯖が運ばれ、その鯖が今日で愛されたので、いつからかそう呼ばれるようになったということでしょう。

    鯖街道の経路

    鯖街道は一本の道ではなく、多くの道があります。
    若狭と京を結ぶ幾本もの街道や峠道、それぞれ固有の呼び名がありますが、総称して「鯖街道」と呼ばれるようになっています。
    主なものとして、最も多くの物資が往来した「若狭街道」(朽木ルート)、若狭と京を最短で結ぶ「針畑越え」(針畑越ルート)、びわ湖の西岸を通る「西近江路」などがあります。

    鯖街道の見どころスポット

    鵜ノ瀬

    毎年3月2日に、奈良東大寺二月堂への「お水送り」の神事が行われる聖域です。

    毎年3月2日に、奈良東大寺二月堂への「お水送り」の神事が行われる聖域です。お水送り神事は、ここから少し下流にある神宮寺から山伏や白装束の僧侶らを筆頭に松明行列が法螺貝の音とともに鵜の瀬に向かいます。河原で護摩が焚かれたのち、神宮寺住職が祝詞を読み上げ、お香水を遠敷川へ注ぎます。お香水は10日間かけて東大寺二月堂の「若狭井」に届くとされ、3月12日には東大寺にて「お水取り」が行われます。

    ゴザ岩


    若狭彦の兄神がゴザを敷いて滑り降りたと伝えられている神代の岩です。

    池の地蔵


    「池の地蔵」の台座には宝暦10年(1760年)2月と掘られています。こちらの井戸は、標高約700mの尾根にあっても、年中水が枯れることはありません。鯖街道沿線には、旅の無事を祈ってか、お地蔵さまが多く祀られています。

    思子淵神社


    「ㇱコブチ」とは筏乗りの守り神で、小入谷から久田にかけての地域独特の神様です古来、この地域は奈良や京の都に建築用木材を供給する「杣(そま)」として栄えていました。切り出した木材は筏にして、安曇川・琵琶湖・木津川を経由して都まで運んでいました。筏乗りは危険な職業であったため、独特な「ㇱコブチ信仰」が生まれたと考えられています。

    琵琶湖展望台

    眼下に琵琶湖とその対岸を眺めることができます。

    鞍馬寺

    牛若丸(源義経)と天狗ゆかりの寺院です。こちらの鎮守社である由岐神社では、京都三大奇祭に数えられる鞍馬の火祭りが行われます。